「個別指導」という言葉に隠された落とし穴

「個別指導塾なら、先生が一人ひとりを丁寧に見てくれる」

そう考えている保護者の方は多いのではないでしょうか。

しかし、実際の個別指導塾の仕組みをご存じでしょうか。

実は、同じ「個別指導」という名称であっても、授業の内容や講師が担当する生徒の人数は、塾によって大きく異なります。

そして、その違いが十分に理解されないまま塾を選んでしまうと、期待していた指導を受けられない可能性があります。

今回は、学習塾を運営する立場から、個別指導塾の仕組みと、保護者の皆様に知っていただきたい業界の課題について、少し踏み込んでお話ししたいと思います。

そもそも「個別指導」は何人まで?

皆さんは「個別指導」と聞いて、講師1人に対して生徒が何人いる授業を想像するでしょうか。

講師1人に生徒1人のマンツーマン指導を想像する方もいれば、講師1人に生徒2人程度の授業を思い浮かべる方もいると思います。

しかし、実は「個別指導」という名称には、講師1人が担当する生徒数について、法律上の明確な上限が定められているわけではありません。

一般的には、次のような授業形態があります。

  • 1対1:講師1人に生徒1人
  • 1対2:講師1人に生徒2人
  • 1対3:講師1人に生徒3人
  • 1対4以上:講師1人が複数の生徒を巡回しながら指導

中には、講師1人に対して生徒5人程度を担当するような指導形態もあります。

もちろん、人数が多ければ必ず指導の質が低下するというわけではありません。

しかし、「個別指導」という言葉から保護者が想像する授業と、実際に提供される授業が必ずしも一致していないことは、知っておく必要があります。

なぜ、講師1人で何人もの生徒を担当するのか?

その理由の一つに、人件費があります。

学習塾の運営では、講師の人件費が大きな割合を占めます。

例えば、同じ授業時間・同じ授業料であれば、講師1人が生徒1人を担当する場合と、5人を担当する場合では、講師1人あたりの売上が大きく異なります。

つまり、1人の講師が担当する生徒数を増やすほど、人件費を抑えながら多くの生徒を受け入れやすくなるのです。

これは経営上、合理的な考え方ともいえます。

また、少人数の指導に比べて授業料を安く設定できるという、保護者側のメリットにつながる場合もあります。

しかし、ここで考えていただきたいことがあります。

「経営の効率化」と「生徒にとって良い教育」は、必ずしも同じではないということです。

保護者の皆様には、単に「個別指導だから安心」と考えるのではなく、実際にどのような授業が行われているのかを確認していただきたいと思います。

タブレット学習による効率化の裏側にあるもの

近年では、タブレットや映像教材を導入し、講師が直接教える時間を減らしながら授業を進める学習塾もあります。

このような仕組みには、一定のメリットがあります。

例えば、自分のペースで学習を進められることや、理解度に応じて問題を繰り返し解けることなどです。

ESアカデミーとしても、ICT教材の活用そのものを否定するつもりはありません。

ただし、注意しなければならないのは、タブレットを使っていることと、適切な学習指導を受けていることは別であるという点です。

画面に表示された解説を眺めるだけで、本当に理解できているのでしょうか。

問題を間違えたとき、なぜ間違えたのかを誰が確認するのでしょうか。

集中力が切れたとき、誰が声をかけるのでしょうか。

生徒の表情や理解度、学習意欲の変化まで把握できているのでしょうか。

タブレットは、あくまで学習を支援するための道具です。

講師の負担を減らすためだけの仕組みになってしまえば、本来必要な指導まで失われかねません。

私たちは、教育の中心にあるべきものは、あくまで「人」だと考えています。

授業中にスマートフォンを触っている生徒も?

学習塾を運営していると、生徒から様々な話を聞く機会があります。

その中で、気になる話を耳にすることがあります。

例えば、他塾に通っている友人について、授業中にスマートフォンを操作していたり、Instagramのストーリーズを更新していたりする、といった話です。

これらは生徒から聞いた話であり、私たちが直接授業の様子を確認したものではありません。

しかし、仮に授業中の私的なスマートフォン利用が日常化し、講師もそれを十分に把握できていないのであれば、学習環境として改善が必要だと考えます。

生徒を教室に座らせておくだけでは、教育とはいえません。

授業時間をどのように過ごし、その時間がどのような成長につながったのか。

そこにこそ、学習塾の価値があると考えています。

実際に保護者の方から寄せられた声

ESアカデミーでは、無料体験の際に、上のお子様が通っていた塾について、下のお子様は同じ塾に通わせたくないという趣旨のお話をいただいたこともありました。

そのご家庭が感じていた不満のすべてを、私たちが把握しているわけではありません。

しかし、少なくとも保護者の方が、以前利用していた塾の指導や学習環境に対して、何らかの疑問を感じていたことは事実です。

私たちは、こうした声を決して他人事だとは思っていません。

なぜなら、学習塾は保護者の皆様から大切なお子様をお預かりし、限られた時間を使って教育を提供する場所だからです。

毎月の授業料だけでなく、お子様の大切な時間もお預かりしている。

その責任の重さを、私たち学習塾の運営者は忘れてはいけないと思います。

個別指導塾を選ぶ際に確認してほしい5つのこと

最後に、これから学習塾を選ぶ保護者の皆様に、確認していただきたいポイントをご紹介します。

【1.講師1人に対して、生徒は何人いるのか?】

「個別指導」という名称だけで判断せず、実際の指導人数を確認しましょう。

【2.授業中、講師はどのように生徒を見ているのか?】

解説している時間と、生徒が自分で演習している時間のバランスを確認することが大切です。

【3.分からない問題があったとき、すぐに質問できるのか?】

質問したくても長時間待たなければならない環境では、学習が停滞してしまうことがあります。

【4.授業中の集中力や学習状況を把握しているのか?】

ただ教材を進めるだけでなく、生徒が集中して取り組めているかどうかも大切です。

【5.授業の成果や課題を保護者に伝えてくれるのか?】

何を学び、何ができるようになり、今後どのような課題があるのか。こうした情報を共有してくれる塾であるかも、一つの判断材料になります。

【最後に】学習塾が本当に向き合うべきもの

今回、あえて「個別指導という言葉に隠された落とし穴」という少し刺激的なタイトルをつけました。

しかし、私たちが伝えたいのは、特定の学習塾を批判することではありません。

個別指導にも、集団指導にも、映像授業にも、それぞれの良さがあります。

大切なのは、それぞれの指導形態が持つ特徴を正しく理解し、お子様に合った学習環境を選ぶことです。

そして、私たち学習塾の運営者も、常に自分たちの指導を見直し続けなければならないと思っています。

教育は、単にテストの点数を上げるだけの仕事ではありません。

一人の生徒が勉強を通じて自信をつけ、将来、自分の力で新たな道を切り開いていく。

その成長が、やがて次の世代や社会全体につながっていく。

私たちは、教育にはそのような力があると信じています。

ESアカデミーも、決して完成された学習塾ではありません。

だからこそ、これからも現状に満足することなく、生徒一人ひとりにとって本当に価値のある教育を追求し続けていきたいと思います。

教育で、未来をつくる。

それが、ESアカデミーの目指す学習塾の姿です。


ESアカデミーでは、ひたちなか市の那珂湊校・勝田校にて、小学生・中学生を対象とした個別指導を行っています。

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